Stay at MIT by T. Sakabe (2)


写真 1 チャールズ川沿いの年越しの瞬間。街中と湾岸沿いで花火が上がっているのが見えました。なお、チャールズ川はMITキャンパスのすぐ近くを流れる川です。

 

こんにちは!八木研究生活の博士後期課程2年の坂部俊郞です。アメリカ留学日記の後編になります。

 

後編では、アメリカのマサチューセッツ州ボストン・ケンブリッジでの生活について触れたいと思います。

 

住まい

 

現在は、MITの大学院生の方と共にシェアハウスに住んでいます。MITの寮ではないのですが、MITの敷地から徒歩一分程度の場所に住んでいるので、通学は非常に楽ですね。いつも歩いて通っています。同居している学生の方は、ほぼいつも、数式を書き連ねたり、論文を読んでいたりしていて、非常に研究熱心な方です。自分も見習わなければならないなと常々思っております。基本的にはシェアハウスでは穏やかな生活を送ることができています。

 

3月からは、また新しい住居を探さないといけないので、すこし焦っているところです。笑

 


写真 2 現在の住居の屋上から見える景色。手前の川がチャールズ川で、川の向こうがダウンタウンのエリアになります。ずっと見ていられる景色ですね。

 

気候

 

いかにも雪国という感じの写真を前編の冒頭に載せましたが、想像していたよりも遥かに暖かくて暮らしやすい気候です。ボストンは北海道と同程度の緯度に位置しており、冬の寒さは非常に厳しいと伺っていたのですが、今のところ、外出をためらうほど寒い日は片手で数えられるほどしか経験していないです。私の所感としては、京都の冬とそんなに変わらないのではないか、という感じです。ただ、地元の方のお話によると、今年の冬は記録的な暖冬だそうです。今回の冬をボストンの冬だとは思わない方がよい、との有難いご忠告を頂きました。

 

食事

 

様々なバックグラウンドを持つ方々が居住している地域ということもあって、基本的には外食をすれば、色んなものが食べられます。そのあたりは、東京23区内や京都市などの、日本の市街地と変わらないように感じます。

 

最近は本場のハンバーガーの美味しさに目覚めてきたのですが、何と言っても一番印象に残っているのはロブスターですね。生で見ると、なかなか迫力があって怖いです。笑

 


写真 3 ハーバード大学近くに店を構える人気店「Mr.Bartley’s」のハンバーガープレート。こちらのプレートには、Joe Bidenという名前が付いていました…。

 


写真 4 地元の人気シーフードチェーン店である「Legal Sea Foods」の定番メニューのロブスター。圧巻の迫力でした。しかも、このサイズでスモールとのこと…。

 

 

 

ボストンの街並み

 

ボストンお茶会事件(Boston Tea Party)など、アメリカの独立の契機となる出来事が起こった、歴史上とても重要な街ということもあって、街はまさに素晴らしい情緒に溢れています。ボストンの象徴ともいえる赤レンガの建物群が立ち並ぶビーコンヒルは息を吞むような美しさですし、湾岸沿いの海が見える景色も抜群に爽快感がありますね。街の中の任意の地点に立ち、任意の方向に向けて写真を撮れば、ほぼほぼ素敵な建物や風景の写真が撮れると言っても過言ではないほどに、素晴らしい街並みですね。あまりの素晴らしさに、アメリカに渡航してから既に3000枚以上の写真を撮っていました。なかなか、本記事向けの写真を選択するのが難しかったのですが、街並みの写真をいくつか掲載いたします。

 

また、①自国の歴史を語る上で非常に重要な土地、②歴史ある建物や観光スポットが多い観光都市、③近代的なビルも多数存在している、④大学が多く、学生や大学研究者が多い学園都市、という点において、ボストンと京都には共通項がたくさんあるなと思っています。そういうわけで、誠に勝手ながら、既に、ボストンに対しては親近感のようなものを抱かせて頂いております。

 


写真 5 ビーコンヒルのあたり。赤レンガのお屋敷が立ち並んでいます。可愛らしさと荘厳さが高い次元で両立していますね。米国文学の有名な方々の所縁の地域だというのも納得です。石畳の通りの雰囲気が特に優雅で素晴らしかったのですが、写真を撮っていませんでした…。

 


写真 6 Trinity Church。19世紀(意外と新しい?)のロマネスク様式の建築だそうです。夜はライトアップされていて神々しかったですね。このような歴史ある建築物のすぐそばに高層ビルがそびえ立っているのが何とも不思議な感じです。

 


写真 7 ボストンハーバーのクルージング船の上から撮影した写真です。湾岸沿いの地域は近代的な都市という感じで、こちらも非常に洗練されていて、格好いいですね。

 

休日

 

休日は、観光に勤しんでおります。ニューイングランド水族館、ハーバード大学自然史博物館、ボストン科学博物館、ボストンお茶会事件博物館、ボストン美術館、ボストン現代美術館、MIT博物館、ケネディ元大統領の記念館、フェンウェイパーク(野球場)、NBA観戦など…主要な観光スポットは一通り巡らせていただきました。一般向けの観光ツアーにも積極的に参加したりしています(英語のリスニングの練習にいいですね)。

 

また、私は基本的に無趣味なのですが、音楽がほんの少しだけ好きなので、地元のライブハウスでコンサート鑑賞を楽しんだりもしています。Queenの完全コピーバンドとして有名なAlmost Queenやスラッシュメタル四天王の一角であるAnthraxのコンサートはどちらも圧巻でした。特に後者のコンサートでは、観衆がサークルモッシュを起こしている光景を久しぶりに生で観ることができて大変興奮いたしました。あと、Anthraxのギターの方はFlying V(ギターの種類)を弾いていたと思うのですが、Flying Vを弾く人は短パンじゃなきゃいけないなと改めて実感いたしました。この世に、Flying Vと短パンの組み合わせ以上に相性のいいものってほぼ無いような気がしますね。ともかく、COVID-19のパンデミック以降、なかなかこういうライブを観る機会が無かったので、非常に有難い限りです。ライブハウスで騒ぐことができる時代がようやく戻ってきたのかと思うと、胸がとても熱くなりますね。

 

また、週末に、研究所の方のおうちにお邪魔して、一緒に料理をして、食事したりもしています。イタリア人の同僚の方々と、ビールを飲みながら、パスタやラザニアなどの本格イタリア料理を作ったのは最高の思い出になりました。イタリアの方が作るイタリア料理は美味しすぎましたね!

 


写真 8 ボストン美術館(Museum of Fine Arts Boston)。アメリカの三大美術館の一つだそうです。MITに所属している方は無料で入場できます。

 


写真 9 Almost Queenのコンサートの際の看板。その名の通り、ほぼQueenでした。私の場合、目をつぶって聴いたら、おそらく聴き分けられないと思います。

 


写真 10 Anthraxのコンサートの終演後の写真。コンサート本編で力を使い果たしたのか、もう目に力が入っていないですね。笑

 

さいごに

 

ボストンは、アメリカの歴代大統領の中でも特に根強い人気を誇るジョン・F・ケネディ元大統領の出身地としても有名な土地です(ちなみに、ケネディ元大統領はハーバード大学出身だそうです)。

 

というわけで、最後に、ケネディ元大統領の記念館(John F. Kennedy Presidential Library & Museum)の壁に映し出されていたケネディ元大統領の就任演説の際の言葉を紹介したいと思います。まさに、核融合関係の研究開発に携わる全ての人にも当てはまる素晴らしい言葉だなと思います。皆様も噛み締めて頂ければ幸いです。

 

(下手な日本語訳を載せるのは野暮ですので、控えておきます)

 

“All this will not be finished in the first one hundred days. Nor will be finished in the first one thousand days, nor in the life of this Administration, nor even perhaps in our lifetime on this planet. But let us begin“.

 

Inaugural Address January 20, 1961, John F. Kennedy

 

写真 11 John F. Kennedy Presidential Library & Museumにて。ジョン・F・ケネディ元大統領の就任演説での一節が壁に映し出されていました。

 

以上、最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。

 

また、このような貴重な留学の機会のために、支援してくださった皆様に感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました!