協力研究員・興野さんの解説記事
「リチウム鉛液滴からの水素同位体の回収」 がプラズマ核融合学会誌・2月号に掲載されました!
本解説記事では興野さんが取り組まれているVST (Vacuum Sieve Tray)方式によるリチウム鉛液滴からの水素回収についてまとめられています。
VSTは真空中で液体リチウム鉛を落下させる方式です。上の写真のように液滴の球体振動によって効率的な水素同位体の回収が可能になります。
京大では単体試験装置を使って、原理実証を行いました。水素同位体の回収効率の測定を行いました。4種類のノズルを使った実験の結果、液滴から放出されるEは静的な拡散係数に対し2桁程大きい値を持つことを示しました。
また、ブランケットループを模擬したLiPb 流動場に於ける連続運転条件での実験を行い、T移流挙動、放出能率の計測,及びT放出安定性の検証を実施しました(下図)。
最終章にはリチウム鉛を使った実験装置設計についての注意点についてもまとめられており、とてもよくまとまった解説記事になっていると思います。
文献情報
興野 文人「リチウム鉛液滴からの水素同位体の回収」J. Plasma Fusion Res. Vol.99, No.2 (2023) 40-46(http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2023_02/jspf2023_02-40.pdf)