向井助教が筆頭著者の論文がInternational Journal of Hydrogen Energyに掲載されました。本研究では、固体増殖材ペブル充填層の壁面における水素透過フラックスを測定し、表面腐食が水素透過に与える影響を明らかにしました。
核融合ブランケットでは水素同位体が生成・回収されます。ブランケットにおける水素同位体透過挙動の解明に向け、本研究では、水素添加スイープガス流動条件下にてペブル充填層を加熱し、リチウムを含む蒸気によってF82H(低放射化フェライト鋼)表面を腐食させながら水素透過フラックスの測定を行いました。
実験の結果、F82H試料表面(増殖材側)に緻密なLi–Fe–Cr–O酸化皮膜が形成され、透過フラックスが大幅に低減されることが確認されました。冷却水温度における複合酸化物被膜の透過フラックスの低減効果は、 被膜なし試料との比較により1/20~1/50と評価されました。
論文タイトル
Hydrogen permeation from F82H wall of ceramic breeder pebble bed: The effect of surface corrosion
著者
Keisuke Mukai, Shunsuke
Kenjo, Naoto Iwamatsu, Bakr Mahmoud, Takumi Chikada, JuroYagi, Satoshi Konishi
掲載誌
International Journal of
Hydrogen Energy
2021年 印刷中
DOI: 10.1016/j.ijhydene.2021.11.225
本研究は2021年に修士を修了した岩松君が行っていた研究&実験装置をもとに、向井助教と見城君が装置の改良を行い、実験・材料分析を行った成果です。また、本研究は静岡大学・近田研究室との共同研究で行われました。海の上で岩松君も喜んでいることでしょう!