JT-60SA International Fusion School参加報告(博士後期課程3年坂部)

こんにちは!博士後期課程3年の坂部です。

 

少し時間が経ってしまいましたが、先月に参加させて頂いたJT-60SA International Fusion School(JIFS)について報告したいと思います。

 

2023年9月4日から15日にかけて、茨城県那珂市に位置する量子科学技術研究開発機構(QST)様の那珂研究所にて開催されたJT-60SA International Fusion School(JIFS)に参加してきました。

 

JT-60SAとは、現存する中では世界最大のトカマク装置です。詳しくは、QST様のHPをご覧になってください。

 

特大スケールの実験炉を用いることにより、フュージョンエネルギーの早期実現に寄与するとともに、核融合分野における新しいサイエンスを発見することも目指しているとのことでした。

なお、JT-60SA計画とは、フュージョンエネルギーの早期実現のために、国際熱核融合実験炉(ITER)計画と並行して日本と欧州が共同で実施するプロジェクトです。ちなみに、フランスにて建設中のITERが完成すれば、ITERが世界最大のトカマク装置となります。ITERに関しては、詳しくはこちらのHPをご覧になってください。

 

本スクール(JIFS)では、欧州および日本から若手研究者や大学院生、エンジニアの方々が集まり、二週間のワークショップを行いました。

ワークショップ参加者の集合写真(JT-60SA 量子科学技術研究開発機構のXアカウント(@NakaQst)の投稿より)

また、核融合研究の第一線で活躍されてきた日欧の研究者の先生方も、日本のQSTの那珂研究所に集い、核融合分野に関する包括的な講義を実施してくださいました。専門性の高い内容でしたが、どの先生方もエッセンスを抽出して丁寧に説明して下さったので、どの講義も非常に分かりやすかったです。個人的には、特に核融合プラズマに関する知見は今まで非常に乏しかったのですが、今回のワークショップで基礎的な知見を身に付けることができたと感じています。また、何よりも、核融合分野に関して、まだまだ本当に知らないことばかりだということを実感すること(無知の知ですね…)ができたのが一番の収穫だったのではないかと思います。

講義の様子(JT-60SA 量子科学技術研究開発機構のXアカウント(@NakaQst)の投稿より)

また、那珂研究所のJT-60SAやその関連施設も、研究者や技術者の方々の親切な解説とともに、じっくりと見学することができました。世界最大級の核融合装置の数々をこの目に焼き付けることができ、感激の瞬間の連続でした。

二週間のワークショップの終盤では、日欧の学生が入り混じったグループ実習を体験することができました。主に核融合炉の設計や制御に関する事項を実際に体験しながら学ぶことができ、大変有意義な経験となりました。

グループ実習の様子。青いポロシャツを着ているのが坂部です。(JT-60SA 量子科学技術研究開発機構のXアカウント(@NakaQst)の投稿より)

また、ヨーロッパからはるばるお越しいただいた若手研究者や大学院生・エンジニアの皆様、そしてベテラン研究者の方々とも、二週間通して(夜の食事や週末の遠出なども含めて)じっくりと関わることができ、親睦を深めることができました。皆さん、とても優秀で、尚且つ、とても優しく、エネルギッシュで、沢山のことを学ばせて頂くことができました。

 

今回できた繋がりを大切にしたいなと心の底から思っております。

核融合分野での研究や開発に従事する以上は、今回出会った皆様と、また、どこかで出会えることができると信じております。

 

今回のJIFS開催のために、尽力してくださったQSTの関係者の皆様、講義・見学・実習において懇切丁寧にご指導くださったベテラン研究者や技術者の皆様、ともにワークショップに参加した日欧の若手の皆様に深い感謝を申し上げたいと思います。

また、私が本ワークショップに参加するために、便宜を図ってくださった京都大学の研究室の皆様にも深い感謝を申し上げたいと思います。

 

ありがとうございました!!