リチウムタイタネートの三次元拡散経路の可視化に成功

リチウムタイタネートLi2TiO3はLi2MnO3 (M = Ti, Mn, Sn, Ru, および Ir)ファミリーの一員であり、リチウムイオン電池や核融合炉の固体増殖材などで使用される、エネルギー分野で重要なカチオン伝導性セラミックスです。これまでの研究では本材料のリチウムイオン拡散経路に関する研究が行われてきましたが、β-Li2TiO3の正確な結晶構造やリチウムイオンの拡散経路は明らかになっていませんでした。7Li濃縮原料を用いた純度の高いLi2TiO3試料の中性子回折実験の結果が京都大・向井助教と東工大・八島教授、東京大学・寺井教授らのグループによって報告されました。最大エントロピー法(MEM)により、3次元のリチウムイオン拡散経路が実験的に可視化され、一連の類縁物質で格子間四面体サイトと八面体サイトの両方を経由する準格子間機構が提案されました。

 

論文タイトルと著者

タイトル:Experimental Visualization of Interstitialcy Diffusion of Li Ion in β-Li2TiO3

著  者:Keisuke Mukai, Masatomo Yashima,* Keisuke Hibino, and Takayuki Terai

掲 載 誌:ACS Appl. Energy Mater. 28 (2019) 5481-5489 DOI:10.1021/acsaem.9b00639 

オンライン掲載日: 2019年7月18日
U R L:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsaem.9b00639

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