今年3月に博士号を取得&現BNL(Brookhaven National Laboratory: アメリカ合衆国エネルギー省傘下の国立研究機関)研究員・坂部さんの最新論文 “Cathode cooling effects on the neutron production rate in the glow discharge type of fusion neutron source” が査読有り国際学術誌Journal of Applied Physicsに掲載されました。 オープンアクセスのため、どなたでも閲覧可能です!
本論文は、坂部さんの博士課程研究の集大成となっています。水冷による陰極温度の制御と、陰極表面のDLC(Diamond-Like Carbon)コーティングにより、高い中性子発生率・広い運転領域・低熱負荷を兼ね備えた放電型核融合型中性子源を開発しました。
具体的には、 DLCコーティングにより従来(SUS304電極)の5~10倍の中性子発生率(NPR: Neutron Production Ratio)増加に成功し、水冷式陰極の導入により高電流領域(~ 60 mA)でのNPR-Iグラフの線形保持特性を明らかにしました。
さらに、DLCコーティングと水冷式陰極を組み合わせることにより、50 kV, 60 mAの運転条件でNPR: 1.87×10^6 n/sを達成しました。本論文では、DLCコーティングにおける重水素脱離効果と水冷式陰極の導入利点について、より詳しい考察が記述されています。
BNLではリチウムビームを用いる加速器型中性子源の開発に携わるそうです。新天地での更なるご活躍をお祈りいたします!