核融合関連誌のインパクトファクター

 

近年、核融合関連の論文を扱う学術誌の数が増えてきて、核融合関連のオープンアクセス誌も登場しました。そこで、核融合関連学術誌のインパクトファクターを調べてみました。

 

そもそも、インパクトファクター(文献引用影響率)は以下のように定義されています。

特定のジャーナル(学術雑誌)に掲載された論文が特定の年または期間内にどれくらい頻繁に引用されたかを平均値で示す尺度です。これはクラリベイト・アナリティクスの Journal Citation Reports(JCR)が備えている評価ツールの 1 つです。
毎年Journal Citation Reports が公開するインパクトファクターは、被引用数と最近出版された論文との比率です。特定のジャーナルのインパクトファクターは、対象年における引用回数を、対象年に先立つ 2 年間にそのジャーナルが掲載したソース項目の総数で割ることによって計算します。

引用元:インパクトファクターについて (Clarivate Analytics)
https://clarivate.jp/products/journal-citation-reports/impact-factor/

 

つまり、投稿された論文の引用回数などから学術雑誌の影響度を評価する指標です。近年、成果報告の際にしばしば目にする言葉ですし、研究者にとっては耳が痛い言葉でもあります。ちなみに有名な科学誌であるNatureのインパクトファクターは40.137で、Scienceは37.2で(2016年)です。

 

今回対象としたのは次の6誌です。

  • Nuclear Fusion
  • Nuclear Materials and Energy
  • Journal of Nuclear Materials
  • Journal of Fusion Energy
  • Fusion Engineering and Design
  • Fusion Science and Technology

 

Scopusが提供するJournal Metricsを使用しました。

 

これはSNIP(Source Normalized Impact per Paper: 分野による引用のされやすさの違いを考慮した影響度)の比較です。2016年時点のSNIPはどの学術誌も大きく違わないようです。

Nuclear Materials and Energy (オレンジ色三角)で、2016年以前のデータが表示されていないのは新しい雑誌だからでしょうか?

 

総引用数では材料関連のJournal of Nuclear Material (図中 赤色)が多いようです。伸び率は規格化しないと比較できませんが、Fusion Engineering and Design(図中 青色)は順調に伸びているように見えます。

 

また、Incites Journal Citation Reports (InCites JCR)でも調べることができます。

Nuclear Fusion誌。この学術誌がおそらく核融合関連誌で最も高く、IFは 3~4くらいです。

 

 

 

上は材料を扱うJournal of Nuclear Materials誌。少しずつ増加して、現在はIF 2くらいです。

 

上はFusion Engineering and Designのインパクトファクターの推移です。こちらも少しずつ増加していますね。

 

本サイトでは設定を変えると自己引用を除いたインパクトファクターや引用の半減期(half life)など、色々な指標調べることができます。もし論文投稿先に迷ったら、各誌の特徴を一度調べてみてはいかがでしょうか。