円筒放電管型中性子源装置

南3号棟にある円筒放電型中性子源です。

 

実験装置は、核融合反応を起こす真空容器、またその内部に設置された電極、排気ポンプ、ガス供給系、高圧電源、核融合反応によって発生した中性子を計測する中性子測定系、装置内部のガス圧を測定する装置から構成されています。

 

真空容器内を数Pa程度の燃料ガス(重水素ガス)で満たし、陰極にマイナス数十kVの高電圧を印加することでグロー放電を起こします。このグロー放電により、燃料ガスがイオン化され、生じたイオンは両電極間の電界により陰極部に加速され、高密度となった高エネルギーイオンがお互いに衝突、またはバックグランドガスとの衝突によりDD核融合反応を起こします。

 

本装置では陰極にチタンコーティングを施し、重水素を水素化物として吸収させることにより、重水素同士の衝突を増進させています。この核融合によって得られる中性子線は等方的に放射される2.45 MeVの高速中性子です。点線源ではなく、細長い円筒形状であるため、円筒形状の放電管をいくつか並べることによって面線源や体積線源としての利用が期待できます。

 

関連論文

NOBORIO, K.; YAMAMOTO, Y.; KONISHI, S. Neutron production rate of inertial electrostatic confinement fusion device with fusion reaction on surface of electrodes. Fusion Science and Technology, 2007, 52.4: 1105-1109.

https://doi.org/10.1109/FUSION.2009.5226383