放電型核融合中性子源を使ったブランケット中性子輸送試験

放電型核融合中性子源を用いたブランケット模擬体系の中性子輸送実験に関する論文が Nuclear Fusion誌に採択されました!

当グループが保有している放電型核融合中性子源では、下の核融合反応を起こして中性子(n)を発生します。
重水素ー重水素の核融合反応:D + D → p + n (2.45 MeV)

本研究では、反射材・減速材・増殖材で構成された模擬ブランケット体系に中性子を照射し、体系内での三重水素生成率を評価しました。

単結晶CVDダイヤモンド検出器にはフッ化リチウム薄膜が塗布されており、

リチウムの熱中性子捕捉反応: Li + n → triton + alpha
で生成するトリトンとアルファ粒子を検出しました。

測定結果はモンテカルロ計算との比較により、C/E値(実験値と計算値の比)と測定誤差の評価を行いました。
線量の低い小型中性子源を用いて三重水素生成率を評価したのは本研究がはじめてで、ブランケット試験体の燃料生産性能の評価に役立つと考えられます。

本研究は自然科学研究機構核融合科学研究所との共同研究(一般共同研究:NIFS19KLPA001)で行われました。

<論文情報>

タイトル:Evaluation of tritium production rate in a blanket mock-up using a compact fusion neutron source
著者:Keisuke Mukai, Yasuyuki Ogino, Makoto Kobayashi, Mahmoud Bakr, Juro Yagi, Kunihiro Ogawa, Mitsutaka Isobe, Satoshi Konishi
Nuclear Fusion 2021 (In press)
投稿論文(オープンアクセス)
DOI: https://doi.org/10.1088/1741-4326/abe4e7

コメントを残す